「PHP」はWebアプリ開発の為の言語です。PHP初心者向けにPHPの概要とPHPの環境を構築する方法、それからPHPの参考書籍について解説します。
最終更新日:2018年4月19日
目次
1.1. PHPとは?
1.2. PHPによるWebアプリケーションの開発
2.1. PHPプログラミングに必要な環境
2.2. PHPのみインストールする方法
2.3. XAMPPをインストールする方法
2.4. レンタルサーバーを利用する方法
1. PHPスクリプトの概要
1.1. PHPとは?
PHPの正式名称は「PHP: Hypertext Preprocessor」でWebアプリケーションの開発に特化した言語です。HTML文書の中にPHPスクリプトを記述する事が可能で、プログラムはサーバーサイドで処理され、その結果がブラウザーに表示されます。他のプログラミング言語と比較しすると初心者にも習得しやすい言語です。
1.2. PHPによるWebアプリケーションの開発
PHPスクリプトを使うと「ブログ」や「掲示板」、「ショッピングカート」、「メールフォーム」の作成に「アクセス解析」など様々な動的コンテンツの作成が可能になります。フォームの入出力に関わるWebサイトはデーターベースと連携して動作することがほとんどですが、PHPはデーターベースとの連携も比較的簡単に行えるのが特徴です。また、プログラムの内容やアクセス量にもよりますが、PHPは外部プログラムをその都度起動するCGIと比較すると表示速度が速くサーバーの負荷を軽減させることができます。
2. PHPの開発環境について
2.1. PHPプログラミングに必要な環境
PHPを動作させるには、通常「PHP」、「Webサーバー」が必要になります。この場合、PHPはApacheなどの「Webサーバー」の拡張モジュールとして動作します。またWebサーバーがなくても、PHP単体で動作する環境を構築することも可能です。その他PHPのフレームワークとして「Zend Framework」や「CakePHP」などPHPの環境を構築する方法は様々ですが、まずは初心者が始めやすい環境としてPHP単体のインストールやXAMPPのインストールをご紹介しましょう。その他にもインストールと設定が不要なレンタルサーバーでPHPを使う方法もあります。自身で簡単にインストール・設定できそうな方法を選択して下さい。
2.2. PHPのみインストールする方法
「Webサーバー」を構築する必要がなく、PHP単体で動作します。Windows、Mac、Linuxに対応していますが、本コラムではWindows版のダウンロードと設定方法を説明します。OSの種類に応じて「公式PHPのダウンロードページ」より圧縮解凍形式の「ZIPファイル」をダウンロードして下さい。
●PHPのダウンロード
Windows 32bit版OSの場合は「VC15 x86 Non Thread Safe」を、64bit版OSの場合は「VC15 x64 Non Thread Safe」を選択して下さい。
本コラムでは、64bit版WindowsOSを利用していますので「VC14 x64 Non Thread Safe」のZIPリンクをクリックして「php-7.2.4-nts-Win32-VC15-x64.zip」ファイルを適当な場所にダウンロードします。
●「php-7.2.4-nts-Win32-VC15-x64.zip」ファイルの解凍
ダウンロードしたファイルを任意のフォルダーに解凍します。ここでは「C:\php724」に解凍しました。
「C:\php724」フォルダに「workspace」フォルダーを作成します。
●workspaceフォルダーの作成
以下のコードをテキストエディターで記述し「workspace」フォルダーに「sample.php」の名前で保存します。
●sample.php
<html>
<head>
<title>PHP Sample</title>
</head>
<body>
<?php echo '<p>Hello World!</p>'; ?>
</body>
</html>
「コマンドプロンプト」を立ち上げてPHPを起動させます。
windows10:[Windowsアイコンの右クリック]→[コマンドプロンプト]
windows7:[スタート]ボタン→[プログラムとファイルの検索]→[検索ボックスに"cmd"と入力]
●コマンドプロンプト
「php.exe」のあるフォルダーに移動するコマンド
cd c:\php724
をプロンプトに入力します。
次にPHPの簡易ウェブサーバーを起動するコマンド
php -S localhost:8000 -t C:\php724\workspace
を入力します。
●コマンドプロンプト
正常にサーバーが起動するとプロンプトに
PHP 7.0.12 Development Server started at ~Press Ctrl-C to quit.
のメッセージが表示されます。これで簡易WEBサーバーが起動しましたので、ブラウザーでPHPの動作を確認してみましょう。
●Sample.php
ブラウザーにURL「http://localhost:8000/sample.php」を入力して「Hello World!」の文字が出てくればOKです。コマンドプロンプトのメッセージの通り「Ctrl+C」でWebサービスを終了させることができます。
PHPの簡易サーバーを構築することができましたので、テスト環境としてPHPのプログラムを勉強することが可能になりました。
2.3. XAMPPをインストールする方法
簡易サーバーではなく、通常のテストサーバーの環境ををローカルPCに構築したい方は、「XAMPP」のインストールをおすすめします。
Webサーバーの「Apache」に加えて、「データーベース」や「ファイルサーバー」など簡単にインストールすることができます。もちろんphpもインストールされますので、XAMPPをインストールすればすぐにでもPHPの動作を確認することが可能です。
「XAMPPをインストールしてみよう!」と「xamppの使い方」を参考にインストールをしてみて下さい。インストールと設定が完了したら、「sample.php」をXAMPPインストールフォルダー「例:C:\xampp\htdocs」に保存して、Apacheのサービスを起動して下さい。ブラウザーで「localhost/sample.php」を開くと「Hello World!」の文字が出てくるはずです。
2.4. レンタルサーバーを利用する方法
最近は、無償でPHPなどが利用できるレンタルサーバーも出てきました。無償でなくとも月数百円~借りられるレンタルサーバーもありますので、面倒な設定やインストールはしたくないという方はこちらを使ってみるのもよいでしょう。
●さくらのレンタルサーバ:格安のレンタルサーバーです。WordPressが月「515円」のプランから利用できます。
●スターサーバー:ドメイン契約者向けに無料で使えるサーバー機能を搭載しています。
●Xdomain:広告は表示されますが、無料でPHPが使えるレンタルサーバーです。
PHPの動作環境を作るには色々な方法がある事はお分かり頂けたかと思いますが、「まずはどの環境を構築したらよいのか?」という疑問を持たれる方もいるかと思います。PHPの学習には HTML やWebサーバーの知識も必要になってきます。Webサーバーの仕組みやサーバー上で動くプログラムを理解するには、やはり自分でその環境を作ってみる事です。PHPの学習用に、まずは自宅のPCを使ってテスト環境を作り PHP や Webサーバーの仕組みが大体分かってきたら、レンタルサーバーで自身の作成したページを公開するのをおすすめします。
3. おすすめの参考書籍
PHPの基本を学ぶのにおすすめの参考書籍をご紹介します。
●翔泳社の絵本シリーズで初心者にもわかりやすいイラスト入りでWebアプリケーションの基本からしっかり学べます。
「PHPの絵本~Webアプリ作りが好きになる9つの扉」株式会社アンク著/翔泳社(2007年02月27日)
●データーベースへの商品登録、会員情報登録、ショッピングカート、ログイン処理など初心者でも実践的な内容を学習することができます。
「確かな力が身につくPHP「超」入門」松浦健一郎・司ゆき著 /SBクリエイティブ(2016年09月27日)
また、PHPを体系的に勉強したいという方には、資格試験の本をおすすめします。
「【PHP資格】PHP技術者認定試験の難易度と勉強時間の目安」で参考書を紹介しています。
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