フリーランスエンジニアと会社員エンジニアの2つの働き方の違いについて調査しました。
一つの企業に定年まで勤め上げるスタイルが主流だった昔に比べ、近年では転職が珍しくない時代です。現在は会社員として働いているけれど、いずれはフリーランスエンジニアとして独立して自分の力を試してみたい、と考えている人も多いのではないでしょうか。
エンジニアとして将来を見据えた際、より自分らしく働くためのヒントとして、本コラムの内容をぜひ参考にしてみてください。
1. フリーランスエンジニアと会社員エンジニアの働き方の違い
近年では時短勤務や在宅勤務制度など、IT企業においてもフレキシブルな働き方が導入され始めています。
その中で、エンジニアの最も自由な働き方と言えば、「フリーランスエンジニア」を思い浮かべる方も多いと思います。
勤務地や勤務形態をはじめ、エンジニアとして使用する言語や開発環境など、自分で業務の案件が選べるフリーランスは、希望するキャリアパスを描くための手段としては最適と言えます。
では、フリーランスエンジニア、会社員エンジニアの違いを詳しく知るために、それぞれの働き方の特徴と違いを下記の表で比べてみましょう。
| フリーランスエンジニア | 会社員エンジニア | |
|---|---|---|
| 働き方の違い |
・望まない案件は拒否できる ・契約単位で仕事をする ・作業場所・時間を自由に決められる(常駐型を除く) |
・希望通りの仕事ができるとは限らない ・会社の命令に従い仕事をする ・基本的に勤務地や労働時間が決まっている |
2.フリーランスエンジニアと会社員エンジニアの年収比較
働き方の大きく異なるフリーランスと会社員ですが、年収に違いはあるのでしょうか?給与分布と平均年収の観点から、比べてみました。
2.1 フリーランスと会社員の年収分布を比較
まず、エンジニアに限らずフリーランスと会社員の年収の分布について、公的な統計データをご紹介します。
下の図は、内閣官房が発表した「令和2年度フリーランス実態調査結果」から引用したグラフです。フリーランスと雇用者(会社員やフリーターを含む、企業に雇われて働いている方)の、世帯年収を比較しています。
この図を見れば、フリーランスと雇用者の年収分布は意外に一致していることが分かります。
ただ雇用者の最も多い層が「300万円以上400万円未満」であるのに対し、フリーランスは「1000万円以上」が、わずかながら最も多くなっています。
2.2 フリーランスエンジニアと会社員エンジニアの平均年収を比較
では、エンジニアに職種を絞るとどうなるのでしょうか。
厚生労働省が発表する賃金構造基本統計調査(職種別)によると、R7年度は一般労働者(フルタイム雇用者)であるプログラマー(ソフトウェア作成者)の平均年収が約519万円※1、システムエンジニア(システムコンサルタント・設計者)の平均年収が約836万円※1 です。
それに対し、当サイト「プロエンジニア」に登録されている「フロントエンドエンジニア」案件の平均年収は約818万円※2 にのぼり、年収1000万円以上の案件も豊富です。
なお「オープン系SE・プログラマ」の平均年収は約900万円※2、「ITコンサルタント」案件の平均年収は約972万円※2 と、こちらもフルタイム雇用のSEやコンサルよりも高い結果になりました。
※1:賃金構造基本統計調査/令和7年賃金構造基本統計調査にて公開されている職種別賃金のうち、「決まって支給する現金給与額」*12ヵ月分に「年間賞与その他特別給与額」を加えた値を算出
※2:2026年4月時点でプロエンジニアに登録されているフリーランス案件情報のうち、月額報酬の下限額および上限額が公開されている案件より、単価平均×12か月で年収平均を算出
◆ 職種別のより細かい単価や年収については、次の記事も参考にしてみてください。
3. フリーランスエンジニアと会社員エンジニアのメリット・デメリット
フリーランスエンジニアを目指す場合には、事前にメリット、デメリットをきちんと把握しておくことが大切です。
在宅案件であれば、働く場所や時間も自分の裁量次第となることも多く、フリーランスのメリットは、何と言っても自由度が高いことが挙げられるでしょう。
一方、「仕事が安定しない」ことがフリーランス最大のデメリットとして挙げられることが多いです。また、確定申告など業務以外のスキルも必要となるほか、有給や失業という概念がありません。
会社員であれば業務に行き詰った場合でも上司や同僚からアドバイスをもらえたりしますが、フリーランスの場合は孤独になりがちです。在宅型の場合は特に、一人で業務を完結させることができるだけの高いスキルと問題解決能力が必要です。
| フリーランスエンジニア | 会社員エンジニア | |
|---|---|---|
| メリット |
・自分で案件を選ぶことができる ・時間や場所に縛られない働き方を実現しやすい ・同じスキルならば収入アップが見込める |
・安定した収入が得られる ・社会保険がある ・社会的信用度が高い ・仕事の相談やアドバイスを受けやすい |
| デメリット |
・安定した収入を得られるかは自分(スキル)次第 ・有給・失業保険等がない ・仕事の相談・アドバイスが受けづらい ・社会的信用度が低い |
・自分で仕事を選べない ・時間や場所が決まっている ・高いスキルを持っていても収入が変わらない場合がある |
4. 在宅フリーランスエンジニアになるためには
多様な働き方が見直されるようになってきた昨今では、IT企業においても、在宅型のワークスタイルが導入されつつあります。「在宅で働きたい」という理由から、フリーランスエンジニアを目指す方も多いのではないでしょうか。 ITエンジニアは、自分の売りとなる分野のスキルを見定め、常にそのスキルを高めておくことが求められます。 フリーランスの場合は特に、時代のニーズや自分のスキルに対して、より敏感によりシビアに捉えておく必要があります。
在宅フリーランスエンジニアになるには、少なからず企業に所属して実務経験を積んだ後に、そこで培った高い技術力を生かして転身する、というケースが王道と言えるでしょう。 業務の進め方や、クライアントを探す際の人脈など、会社員時代でしか築けないものがありますので、実務経験は持っておくに越したことはありません。 中でもプログラマーは、スキル次第で収入アップを見込める職種の一つです。 習得に時間はかかりますが、独学からスクールまで、学習方法も選ぶことができるので、ワークスタイルに合わせて働きたい、手に職を求める女性にもおすすめです。
5. フリーランスエンジニアで年収を上げる方法
フリーランスエンジニアは年収アップに繋がりやすいということは前述のとおりですが、ここではフリーランスになってさらに年収アップを図るために必要なことをまとめてみました。
■ スキルアップで強みを増やす
IT業界はシステム開発、ネットワーク、データベースなど分野が広いだけでなく、業務内容も設計構築、プログラミング、運用など、企業によっても必要となるITスキルは様々あります。
フリーランスエンジニアは、企業には属さない個人としてITスキルを売りとした働き方となるので、少なくとも1分野についての高いITスキルを持つことがまず原則と言えます。
その上で、ネットワークのスキル+αで英語力も持ち合わせている、インフラ周りに強くプログラミングも書けるなど、これまでの経験から自分の強みとなるスキルを洗い出し、さらにそこから派生させて強みとなるスキルを増やすことが必要と言えるでしょう。
■ 案件の選び方を工夫する
案件を選ぶ際は、得意分野の案件だけを選び続けるのではなく、案件単価の高いものを選んだり、大規模プロジェクトを手掛ける開発会社や長期開発案件、新しい技術を使用するプロジェクトなど、今後の自分のスキルアップに繋がるような案件を選ぶこともポイントです。
目先の働きやすさだけに固執せず、案件数を増やしたり、長期的な目で案件を選んで多くの経験を積んでいくことで、将来の年収の幅が変わってくるでしょう。
■ 新規顧客を開拓する
フリーランス白書2026によると、仕事獲得の経路として・「人脈」の68.3%や「過去・現在の取引先」58.3%など、いわゆる縁故により仕事を獲得している人が大半を占めています。
出典:一般社団法人フリーランス協会「フリーランス白書 2026」
これまでの仕事において信頼関係が築けている既存顧客との仕事であれば、お互い良好な状態で仕事を継続できるでしょう。しかし、信頼関係のある顧客が増えれば増えるほど、そこから受注の選択肢が広がっていきますので、従来の顧客に加えて新規顧客の開拓を進めておくことも必要です。
■ フリーランスエンジニア向けのエージェントサービスを利用する
案件獲得にあたっては、フリーランスエンジニア向けのエージェントサービスを利用するのもお勧めです。営業を代行してもらえたり、年齢不問や非公開案件などの、自分だけでは見つけにくい案件を紹介してもらえることもあります。フリーランス白書2019によると。年収 800 万円以上の高収入者が多いのは「エージェントサービス」の利用からという結果が出ています。継続して安定した収入を得るためには有効的な活用方法と言えるでしょう。
出典:一般社団法人フリーランス協会「フリーランス白書2019」
6. フリーランスエンジニアの将来
フリーランスエンジニアの将来は、仕事がない期間がある可能性などあれこれと考え出すと、何かと心配なことが生まれてくるのは当然のことです。
特に女性は結婚や出産などのライフステージによって、若い頃と同じ働き方ができなくなったり、男性であっても体力的に長時間働くことが難しくなったりすることも考えられます。ここでは、フリーランスエンジニアの30代~50代の実態を調べてみました。
6.1 フリーランスエンジニアの半数以上が30~40代という調査結果も
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発行した「フリーランス白書2026」にて、1426名のフリーランスエンジニアを対象とした調査結果が公開されています。
この調査結果の回答者属性によると、各年代の割合は次の通りです。
| 年代 | 割合 |
|---|---|
| 30歳未満 | 3.2% |
| 30代 | 22.2% |
| 40代 | 34.2% |
| 50代 | 29.7% |
| 60歳以上 | 10.7% |
30歳未満の若手の間は企業に勤務してノウハウや仕事内容を体得し、スキルと実績を積み上げた上で、30代~40代からフリーランスになり、50代以降も継続してフリーランスを続けている方が多いことが分かります。
出典:フリーランス白書2019
6.2 フリーランスの年齢による年収相場の差は少ない
IPAの「IT人材白書2016」の調査によると、フリーランスの年収700万までの場合では、年代による大きな差が見られません。フリーランスは案件毎で契約をするため、若年層であってもスキルがあれば高い年収を得られる可能性があることがわかります。
しかし、年収700万~1000万の割合をみると、30代が8.8%、40代が14%、50代で17%となっており、年齢により年収が上がっている傾向が見られます。
高単価案件は、それだけ高いスキルを要するため、豊富な業務の経験者40代~50代は年収も上がる傾向であることが推測できます。
出典:IT人材白書2016
6.3 年齢を重ねたからこそ活躍できること
弊社プロエンジニアのエージェントによると、40代以降の方でも案件が決まっています。案件の決まる40代以降の方の特徴として、専門性が明確な方という点が挙げられます。もちろん、納期の厳守や円滑なコミュニケーションが可能であるなど、人物面も大切です。
40代以上のエンジニアは、これなら誰にも負けないというスキルが必要です。業界歴だけ長くとも、経験してきたスキルが1年ごとにすべて違い、中長期的に取り組んだスキルがない場合は紹介が難しいのも事実です。逆に"必殺" スキルがあれば、PM経験がないことなどはデメリットにはなりません。
7. まとめ
フリーランスエンジニアと会社員エンジニアの違いについて、いかがでしたでしょうか。
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