フリーランスのWebエンジニアを検討している方へ向けて、フリーランス向けの案件の傾向、案件獲得法や高単価を目指す方法などをご紹介します。
時間や場所に縛られることなく自由に働きたいと考えながらも、今のスキルで独立できるのか、会社員と比べてフリーランスにはどのようなメリット・デメリットがあるのか等不安や疑問を抱えている方は必見です!
1. フリーランスWebエンジニアの需要と将来性
フリーランスのWebエンジニアとして独立を考えたとき、気になるのはやはり需要と将来性ではないでしょうか。
日本最大のクラウドソーシングサービス「ランサーズ」では、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、フリーランスに仕事を発注したいと考える企業と、フリーランスとして仕事を受注したいと考えている人の登録が増加傾向にあると報じています。
出典:2020年7月ProEngineer フリーランス求人情報
上記の通り、フリーランスエンジニアの仕事の中でもWebエンジニアの案件が占める割合は圧倒的に多いことが分かります。
Webエンジニアの求人は正社員では追い付かず、フリーランスの需要は高まる傾向があるため、今後も将来性が望めることを予想出来るのではないでしょうか。
出典:「テレワーク拡大による企業・フリーランスの働き方の変化」に関する調査を実施|ランサーズ株式会社
2. 会社員と比較したフリーランスWebエンジニアの単価相場
まず、正社員とフリーランスの平均年収を見てみましょう。
◆ 正社員 年収平均:456万円
出典:Find job:Webエンジニア・Webプログラマの平均年収・給料・給与(2020年7月時点)
◆ フリーランス 65万円(単価平均)×12か月=年収780万円
出典:2020年7月ProEngineer Webエンジニアのフリーランス求人情報
正社員の場合、年齢が上がるにつれて年収が上がる傾向にありますが、フリーランスの場合は、経験値、言語、担当ポジションなどによっても報酬が変動します。
フリーランスは正社員よりも高い報酬を期待できるケースが多くありますが、経費や税金の管理など、自分で行う必要がありますし、福利厚生の面などでも、会社が負担していてくれた部分を自身で負担しなければならないものがあることも意識しておきましょう。
3. フリーランスWebエンジニアの案件情報
次にフリーランスWebエンジニア、下記3つの職種別の案件の単価平均と特徴を紹介します。
3.1 Webアプリケーションエンジニア
◆ 単価平均:66万円
Webアプリケーションエンジニアは、市場に一番多いポジションです。そのため、経験が1~3年の人材は溢れているため、フリーランスとして活躍することを考えるのであれば、何か強みを持つ必要があるでしょう。求められるスキルとしては、RubyやPHPやPythonなどが挙げられます。
3.2 フロントエンド・マークアップエンジニア
◆ 単価平均:60万円
Webサイト制作案件としては、コーダーかフロントエンドの募集が多く、マークアップエンジニアとしての募集は少ない印象です。
フロントエンドは、Web事業開発(自社サービス)やWeb受託開発がメインとなっており、マークアップは受託開発及びデザイン会社からの求人が多い傾向です。
3.3 iOS/iPhone/Androidアプリ開発エンジニア
◆ 単価平均:60万円
求人企業の多くは、スタートアップ企業もしくは大手クライアントを相手にしている大きい受託会社がメインとなっています。
以前は、AndroidはKotlin、iOSはSwiftが主流でしたが、最近ではAndroid/iOSで分けずに開発できるFlutterでの開発案件も増えてきています。
>>iOS/iPhone/Androidアプリ開発エンジニアの求人案件はこちら
4. フリーランスWebエンジニアのメリット
フリーランスという道を選んだ場合、会社員と比べて、どのようなメリットあるのでしょうか。
4.1 収入が上がる
前述の会社員との平均年収の比較からも分かる通り、同じスキルの仕事であれば、高確率で収入アップが期待できます。
会社で事務管理費や福利厚生費などに充てられていた分の予算は、収入の中から負担する必要がありますが、現金として手元に入ってくることになります。
4.2 時間を効果的に使える
会社員の場合は、毎日通勤する必要があり、通勤時間を含めると拘束時間は長くなります。通勤に往復2時間以上かかるということもあるでしょう。
しかし、フリーランスで在宅型の案件であれば、通勤にかかる時間を節約できるだけでなく、昼間は育児などをして、夜に仕事を進めるという働き方も可能になります。
4.3 仕事を選べる
会社に所属していると、自分のやりたい仕事だけをやり続けるというのは難しいもの。
その点、フリーランスの場合は、自分で仕事を獲得しなければなりませんが、自分のキャリアプランや条件にあった仕事を選ぶことができます。
5. フリーランスWebエンジニアのデメリット
デメリットについても事前に確認しておきましょう。
5.1 仕事や収入が不安定
フリーランスの場合、自分で営業をして仕事を獲得しなければなりません。当然、仕事が獲得できなければ、収入も得られません。
会社員であれば、新規の仕事が受注できなくても基本給は支給され、生活は守られますが、フリーランスの場合は仕事が獲得できなければ無収入となってしまいます。この点がフリーランス最大のデメリットと言えるかもしれません。
効果的な案件獲得方法については次項「5. フリーランスWebエンジニアの案件獲得方法」をご覧ください。
5.2 補償が少ない
フリーランスは、雇用保険や福利厚生がありません。自分のペースで仕事が出来て、いつでも休むことができますが、会社員のように有給や失業保険などの補償がなく、病気などで働けなくなったときのリスクは大きくなります。
>>フリーランスがこれから備えるべき補償についてはこちらを参考に
5.3 事務処理(確定申告等)が面倒
フリーランスになって、毎年避けては通れないのが確定申告です。
会社員は、会社が給与計算・源泉徴収・税金の納税など、すべて行ってくれますが、フリーランスの場合、収入や経費の精算などの事務処理を自分で行う必要があります。
6. フリーランスWebエンジニアの案件獲得方法
フリーランスWebエンジニアは、自分で仕事を獲得しなければなりません。ここでは、おすすめの案件獲得方法を4つご紹介します。
6.1 人脈や過去の顧客など取引先
これまで所属していた会社の上司・同僚、顧客などから案件を紹介してもらう方法です。
すでに築き上げてきた信頼関係や、自分の仕事の実績なども把握してもらえていることから、発注側も受注側もお互いに安心できるケースと言えるでしょう。
6.2 営業活動
企業に直接、営業をかけて案件を獲得する方法です。
他の獲得方法と違い、相手の企業がどのような人材を求めているかを調べた上で、自分の売りとなる特化した技術が必要となってきます。難易度は高めですが、人脈が広がる可能性も期待できます。
6.3 エージェントサービス
フリーランス向けの求人情報を提供しているサイトを利用した方法です。
営業が苦手な人や、案件を効率良く探したいと言った人にはおすすめです。エージェントがクライアントと求職者の間に立って、報酬や諸条件を交渉してくれるので、トラブルの回避も期待できます。
6.4 クラウドソーシング
クラウドソーシングサイトを利用して、自分で気になる案件に応募する方法です。
比較的、在宅案件が多いですが、エンジニア向けの常駐案件もあります。
案件を完遂して、信頼関係を築ければ、次の案件を優先的に紹介してもらえたり、継続して仕事の依頼を声掛けしてもらうことが期待できます。
7. フリーランスWebエンジニアで高単価を目指す方法
7.1 年収が高い傾向の人材とは
フリーランスWebエンジニアとして年収が高い傾向となるのは、下記のような人材です。
- GoやPythonなどの言語が扱える
- プロジェクトチームのマネジメントポジションを担当できる
- 一人でフロントエンドもバックエンドも開発できるフルスタックエンジニア
案件の単価は、市場のニーズと技術者の希少性によっても変動しますので、市場のトレンドを常にチェックしておくことが大切です。
7.2 高単価を目指すために必要なスキル
「Webエンジニア」として求められる技術的なスキルと、「フリーランス」として求められる必要なスキルの2つの点から、高単価な案件獲得を目指せるスキルについてご紹介します。
Webエンジニアとして求められる技術的スキル
- 希少性の高いプログラミング言語
- トレンドのフレームワークの知識
- サーバーやデータベースなどのバックエンドの知識
- AWSなどのクラウドの知識
フリーランスとして必要なスキル
- 案件を自分で獲得するスキル
- 自ら学ぶ姿勢
- タイムマネジメント
- 事務処理と知識に関するスキル
これらに加え、プログラミングが趣味だったり、そのプログラミングを駆使して何を提供したいか明確であること、また、ビジネス感覚が備わってる方や対人スキルが高い方はエンジニアとして急成長している人の特徴です。
フリーランスWebエンジニアとして高単価を稼げる人材となるでしょう。
8. 未経験からフリーランスWebエンジニアを目指すには
未経験でフリーランスWebエンジニアを目指すのであれば、まずはスクールなどで効率良くプログラミング言語を学び、企業でエンジニアとしての実務経験を積んで、フリーランスへ転身することをおすすめします。
Webエンジニアは、求人案件が多く、未経験からでも応募可能な案件もあります。
しかし、未経験でも可能な案件や、要求されるスキルの低い案件は、報酬も低いことが多く、フリーランスでしっかりと稼いで行くことを考えた場合、いきなり独立してしまうのではなく、まずはスキルと経験をしっかり積むことが稼げるフリーランスWebエンジニアになるための近道と言えるでしょう。
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9. フリーランスWebエンジニアと年齢の関係
フリーランスWebエンジニアへの転身を目指している方の中には、「ITエンジニアの35歳定年説」や「45歳以降のフリーランス案件がない」と言った噂を耳にして、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、エンジニアの年齢の限界に関する見解をご紹介したいと思います。
9.1 企業側が懸念していること
年齢の高いエンジニアを採用する場合、企業側は下記のような点を懸念していることも事実のようです。
・上司やプロジェクトメンバーが年下になり、周りのメンバーが気を使ってしまうなど、コミュニケーション面で懸念がある
・年齢のギャップがあることで、チームの開発の生産性が落ちる
・技術を吸収する力、柔軟性における懸念
9.2 年齢に関係なく活躍するためには
では、年齢的な懸念材料に対して、フリーランスWebエンジニアを目指すみなさんは、どのようなことを心がけておけば高年齢になっても活躍できるのでしょうか。
謙虚な態度と姿勢が大切
特に次のような姿勢を意識してみると良いでしょう。
・常にアンテナを張って、最新の技術やトレンドをキャッチアップする柔軟性を持つ
・若いメンバーとも気軽に話せる印象を与えて、年齢を感じさせない柔軟なコミュニケーション力を心がける
経験値の高さを付加価値に
年齢の高いエンジニアの大きな強みは、スキルの豊富さ、経験値の高さです。
トラブルが起きた際、過去の経験から良い判断へ導ける、といったベテランならではの経験値は強みになります。
10. まとめ
フリーランスWebエンジニアの需要は高まる傾向にあり、今後も将来性が十分に期待できると言えるでしょう。
現在お持ちのスキルや経験にプラスして、マネジメントスキルや希少性の高い技術を磨くことにも目を向けながら、フリーランスWebエンジニアという働き方の選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。