Webエンジニアへの転職を考えている方や興味を持っている方に向けて、Webエンジニアの将来性と需要について、弊社現役プロエンジニアコンサルタントの意見を加え解説します。
「エンジニア35歳定年説」や「AIによってエンジニアの仕事がなくなるのでは?」とWebエンジニアの将来性に不安を感じている方は、本記事を参考にしてみてください。
1. Webエンジニアの将来性
Webエンジニアの「将来性が高い」という意見がある一方で、「将来性が無い」という声もあり、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、Webエンジニアの需要と将来性は高いと言って間違いないでしょう。
その理由を以下で、ご説明していきたいと思います。
1.1 Webエンジニアの将来性は高い
IT市場の成長に伴い、Webエンジニアの需要は高まっている
経済産業省が2019年3月に公開した「IT人材需給に関する調査」の報告書では、今後、IT人材の需要が高まる一方、IT人材は不足していき、需要と供給の差が大きく開いていくことが予測されています。
また、スタートアップ企業が急増し、多くのサービスがWebアプリで作られているため、Webエンジニアの需要は人手不足の傾向にあり、需要は高まっています。
世界のトップ企業10社のうち、7社がWebやIT関連企業である
出典:Statista:The 100 largest companies in the world by market value in 2019
世界最大級統計データベースStatistaの調査から、世界経済をリードしている企業を見てみると、GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)を始めとするIT企業が上位を占めていることが分かります。いまや、IT業界はビジネスの最先端であり、今後も衰えることのない将来性のある確かな業界と言えるでしょう。
1.2 将来性がないWebエンジニアの特徴とは
将来性があり、人材の需要も高まる傾向にあるIT業界ですが、ネガティブな要素がないわけではありません。需要が多いからこそ、Webエンジニアに求められる役割が変化しつつあるのも事実。具体的なネガティブ要素と、将来性がないとされるWebエンジニアの特徴を確認しておきましょう。
Webエンジニアの将来性においてネガティブとされる要素
・AWSなどクラウドサービス、最新のパッケージソフト等の登場で非エンジニアでも作業が可能
・プログラミングの仕事がAIに取って代わることが予想
・プログラミング教育の必須化、IT関連のスクールの発展によりITスキルを学ぶ人材が急増し、必然的に群れに埋もれてしまう
将来性がないとされるWebエンジニアの特徴
・コーディングやプログラミングにしか強みがない
・最新技術や情報などに目を向けず、自ら積極的に勉強を心がけない
・付加価値が足りない
プログラミングやコーディングが出来る人は溢れています。また、ITの世界では、デザインやコーディング、プログラムの流行り廃りの変化が速く、常にアンテナを張って、新しい知識と技術を身に付ける努力も必要です。変化に柔軟に対応し、企業のニーズに応えられるかどうかでWebエンジニアの将来性は変わってくると言えるでしょう。「将来性の高いWebエンジニアの特徴」も合わせてご覧ください。
2. Webエンジニアの需要
弊社プロエンジニアコンサルタントから、現在のWebエンジニアの需要についてヒアリングをしました。
市場価値が高い分野では需要が高い
現在市場価値が高いと言われているもののひとつに、Androidや、iPhoneなどのiOS上で動くスマートフォンアプリのに対応できるエンジニアが挙げられます。この分野はニーズが高まっている一方で、まだまだ開発できる人材が少ないと言われており、需要も高い傾向にあります。
希少な人材は需要が高い
AIの分野など、比較的新しい分野のエンジニアは、人気が急上昇しているものの現場経験者が少なく、需要が高くなっています。
フリーランスの需要もある
Java、PHP、JavaScriptの分野は、フリーランスとしてのWebエンジニア案件も安定して多い傾向にあります。
リモート案件の需要は経験者がメイン
今後、新型コロナウィルスの影響でリモートが普及していく場合、教育カリキュラムや体制がない企業は、即戦力となる人材の採用がメインとなることが予測され、未経験者のハードルは上がっていく可能性が高くなることが想定されます。
3. Webエンジニアの年収
プロエンジニア内におけるフリーランスWebエンジニアの年収を見てみましょう。
◆ フリーランスWebエンジニア
最も多い単価層:60-70万(平均年収792万円)
出典:2020年7月ProEngineer Webエンジニアのフリーランス求人情報
同じWebエンジニアでも、職種、経験年数、スキル、ポジションといった違いにより年収は変わります。
職種別のより詳しい年収をご覧になりたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
4. 将来性の高いWebエンジニアの特徴
将来、Webエンジニアとして長く生き残るために、市場価値の高いエンジニアになるにはどのようなことを意識して、スキルを磨いていけば良いのでしょうか。
ここでは、市場価値の高いWebエンジニアになるための3つのポイントをご紹介します。
4.1 将来性の高いプログラミング言語を扱える
Webエンジニアの扱うプログラミング言語は、安定して案件数の多い言語もあれば、比較的新しい将来性の見込まれる人気のある言語まで様々です。言語によって、求人数や年収も変わってきます。Webエンジニアとして長く生き残るためには、需要とトレンドを追って、学び続けることが大切です。
Java
Webアプリからスマホアプリ開発まで幅広く使えるため、案件数もトップクラスです。
Python
AI(人工知能)の分野でよく使われている言語で、世界でも需要の高まっている言語のひとつです。Webに関わる部分では、FacebookやInstagram、YouTubeなどでも使われています。国内でもニーズは高まっていますが、まだまだ人材不足の状況です。
Go
開発されて10年ほどの新しい言語ですが、世界的にも人気な言語で、現在、Google・GitHub・メルカリ・Gunosyなど大手企業で採用されています。Googleが開発元ということで、将来性が期待できる言語です。
4.2 将来性の高い付加価値を身に付けている
Webエンジニアとしての市場価値を高めるためには、プログラミング言語を使ってコードを書けるだけでなく、プラスαの付加価値を身に付けていくことも大切です。他の人と差別化を図れる特化した分野を持つことで「この案件はこの人でないと!」と頼られる人材になるでしょう。
クラウド技術を身に付けている
AWS(Amazon Web Services)、Azure(Microsoft Azure)など、クラウド時代に求められるインフラの知識や経験を備えていることや、バックエンドもフロントエンドも扱えるフルスタックなエンジニアを目指せるようなキャリアビジョンを持っておくと理想的です。
マネジメント能力を備えている
「コードさえ書ければ良い」と考えていると危険です。Webエンジニアとして、コードを書く作業は体力勝負な面もあります。需要やトレンドを追って、プログラミング言語を習得し続けていても、年齢を重ねたときに、体力的な限界を感じることがあるかもしれません。そうならないためにも、マネジメント能力を身に付けておくことも、Webエンジニアとして長く生き残るためには必須要素と言えるでしょう。
4.3 変化に対応できる能力が備わっている
IT業界は日々変化の激しい業界なので、常にスキルをアップデートして、変化に対して柔軟に対応できる姿勢を持ちましょう。
変化を受け入れ、成長したいという姿勢
「私、サーバーサイドしかできません」といった考えでは、今後必要とされなくなってしまいます。
「エンジニア35歳定年説」や「AIの進歩よってエンジニアが不要になる」と言った話もありますが、技術者が大幅に不足している現状、どちらの説にも惑わされることなく、変化に対応できる能力を磨いておきましょう。"自分がどこまで成長していきたいか" という姿勢によっても将来性は変わって来るでしょう。
フリーランスという働き方にも目を向けよう
Webエンジニアとして働いていて、新しい分野にチャレンジしたいと考えている場合は、フリーランスになるという選択肢もあります。会社員として組織に所属して働いていると、必ずしも自分の挑戦したい分野の案件を担当できるとは限りません。フリーランスの場合、自分で仕事を選ぶことができるので、スキルアップできる案件を請け負うことが出来ます。スキルをアップデートすることが出来れば、仕事の成果が報酬に反映されて高収入を得るチャンスもあるでしょう。
5. SEからWebエンジニアに転職するポイント
近年、SEからWebエンジニアへ転向する人も少なくありません。SEもWebエンジニアも、どちらもIT技術者なので、転向も難しくないように感じるかもしれませんが、業務の在り方が全く違う世界なので、情報収集をしっかりと行いましょう。
SEの場合、大人数でプロジェクトを進めていくことが多く、作業が細かく分業化されているため、個人の担う役割は少なく、個人に求められるスキルもそれほど高くはありません。一方で、Webエンジニアの場合、少人数でスピード感が求められるプロジェクトが多く、個人のスキルが重視されます。
そのため、SEから「同じIT技術者だから」とのんびりと構えて転向すると失敗する可能性があるので、注意が必要です。
興味のある技術や、志望する求人で挙げられている技術については、実際に手を動かして、サーバー構築からWebサイトを制作して、使えるかどうか試してみるのがおすすめです。
6. 未経験からWebエンジニアを目指せるか
未経験からWebエンジニアは目指せるのでしょうか。結論から言うと、可能ですが、年齢的に限られてくる部分があります。年齢が上がるにつれて未経験での採用は難しくなる事例が多いため、Webエンジニアへの転職を考えている場合は、少なくとも30代前半までには行動に移すことをおすすめします。
6.1 未経験からWebエンジニアを目指す方法
未経験からWebエンジニアを目指す場合、必要なスキルとキャリアパスを考えていく必要があります。
例えば、フロントエンドエンジニアを目指す場合、HTMLやCSSを使ったコーダーから、コーダーの上位職種であるマークアップエンジニアを経験して、キャリアアップしていく方法が考えられるでしょう。
また、スクールに通い技術を習得して就職支援を受ける、という方法もあります。自宅からのリモート学習でカリキュラムに沿って1から学ぶことができるので、プログラミングが未経験でも安心です。
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7. Webエンジニアとして長く活躍するコツ
ここでは、Webエンジニアとして長く活躍するコツを2点ご紹介します。
世の中のニーズと動向を把握する
継続的なスキルアップをする際に必要となるのが、世の中のニーズを把握しておくことです。ニーズとマッチしないスキルをどれだけ身に付けても意味がなくなってしまいがち。
市場や企業に求められているスキルや経験を把握するのにおすすめな方法のひとつは、エージェントを通じて情報を得ることです。今企業に必要とされる人材を、いち早く提供する仕事こそがエージェントの使命。最新情報をエージェントに頼る価値はあるでしょう。
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常に新しい言語や技術をアップデートしていく
Webエンジニアとして長く活躍するためには、トレンドを確実にキャッチして、常に自身の技術や知識をアップデートしていくことが必要不可欠です。
とは言え、働きながら個人で幅広く情報を収集するのには限度があります。そういった場合、エンジニア同士の勉強会や交流会に参加してみるのも良いでしょう。刺激を受けて視野が広がったり、知識や人脈の幅が広がります。
8. まとめ
Webエンジニアと一言で言っても、扱う言語や求められるスキルは様々ですが、業界全体を通して、今後も需要は高く、人材は不足している状況が予測されています。
人材が不足している分野では、年収・単価相場も高くなっています。
これからWebエンジニアへの転向を考えている人は、本記事を参考に、希望する分野の需要や将来性、キャリアプランをしっかりと練った上で早めに行動してみてはいかがでしょうか。