フリーランスを続けていると、予定外に仕事が途切れてしまうことがしばしばあります。また、フリーランスとして独立したいのに仕事が見つからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、フリーランスが仕事がない状況におちいってしまう理由と、その具体的な対処法について詳しくご紹介します。
1. フリーランスの案件獲得方法
フリーランスの仕事がない際に、即効性のある案件獲得方法を経験量別にご紹介します。
1.1 これまでに多くの実績があるけど途切れた場合の対処法
「すでにフリーランスとして活躍した実績があるけど、タイミングが悪く仕事が途切れてしまった」という場合には、次のような対処法があります。
● 過去に取引があったクライアントに連絡する
● 取引が継続しているクライアントに、他のクライアントを紹介してもらう
過去に取引があったクライアントの担当者に連絡し、新しい案件がないか聞いてみましょう。公開前や非公開の案件を紹介してもらえる可能性があります。かつこれまでの取引で充分な信頼関係を築いていれば、他のクライアントを紹介してもらえる場合もあります。
● フリーランス仲間に人材不足の案件がないか聞いてみる
同業のフリーランス仲間がいる場合は、人手が足りていない案件などがないか聞いてみるのも一つの方法です。そのためにも、現場で一緒になったフリーランスとは日頃から積極的に交流し、勉強会などにも参加して横のつながりを大事にしておきましょう。
● クラウドソーシングで案件を探す
次に予定している案件までに隙間時間が空いてしまったという場合は、さまざまな規模の案件が登録されている「クラウドソーシングサービス」の利用も一つの方法です。ただクラウドソーシングは大口の案件を探すには不向きなので、この先の予定が全くないという場合には、他の方法を利用することがおすすめです。
● これまでとは違うフリーランスエージェントに登録する
フリーランスをメインの仕事としている方は、エージェントに登録している方も少なくないかと思います。ただ同じエージェントという名前でも、提供しているサービスや案件の内容はそれぞれのサービスによって異なります。
一つのところに頼りきるのではなく、常に複数のエージェントを併用してリスクを分散しておくことがおすすめです。
1.2 フリーランスになりたいけど初めての仕事が受注できない場合の対処法
これからフリーランスとして独立を目指している方が、初めての案件を受注できない場合の対処法をご紹介します。
● 資格取得やポートフォリオを充実させる
フリーランスとしての実績が少ない場合は、独立前(会社員時代など)の職務経歴が重要になります。職務経歴書(スキルシート)は詳細、かつ分かりやすいように、しっかりと見直しを行ってください。
職務経歴にあまり自信がない場合は、スキルを示すためのポートフォリオの充実がとても重要になります。
ポートフォリオを用意しにくい職種の場合は、資格の取得がおすすめです。スキルを示すだけでなく、学習に対する意欲を示すことができます。
● SNSなどを活用して自己ブランディングを行う
イラストや音楽などクリエイター職の場合、作品をSNS上で発表しファンを多く獲得することで、仕事を受注しやすくなります。
エンジニアの場合は無縁のように思えますが、オリジナルのサービスをWeb上で公開したり、GitHubにソースコードを公開することでスキルをアピールする方法があります。
● サポートの手厚いフリーランスエージェントに登録する
上の方法では時間がかかりすぎて困るという方には、サポートの手厚いフリーランスエージェントへの登録がおすすめです。
効果的なスキルシートやポートフォリオの作り方を案内しているだけでなく、フリーランス個々人に最適な案件をご紹介しています。
弊社サービス「プロエンジニア」では、これからフリーランスになりたい方の独立支援のご相談も承ります。これまで支援した方の中には正社員時代のご相談から並走し、安心して独立していただいた実績もございます。
2. 仕事がないフリーランスを助けてくれる制度
仕事がなくて資金繰りが厳しい際に利用できる、各種の制度をご紹介します。
2024年5月現在、フリーランス向けの公的な「給付金」は全て終了しています。その代わり、補助金や保険料の免除、貸付など、状況に合わせた様々な制度があります。
2.1【補助金】小規模事業者持続化補助金
種別 | 補助金 | 名称 | 小規模事業者持続化補助金 | URL | https://s23.jizokukahojokin.info/ | 実施団体 | 日本商工会議所 | 内容 | 最大250万円の補助金が給付される | 対象 |
(1)策定した「経営計画」に基づいて実施する、販路開拓等のための取組であること。あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組であること (2)商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること ※詳しい条件は公式サイトを参照してください |
デメリット | 対象となる範囲が限られる
経営計画や報告書作成など、手間や時間がかかる |
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小規模事業者持続化補助金は、フリーランス(個人事業主)でも応募が可能です。ただし商工会議所の支援を受ける必要があり、申請できる業種が限られます。詳しくは、公式サイトの「公募要領」をご確認ください。
2.2【免除】国民年金保険料の免除
種別 | 免除 | 名称 | 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度 | URL | https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html | 実施団体 | 日本年金機構 | 内容 | 保険料の納付猶予、または保険料の4分の1、半額、4分の3、全額の納付免除 | 対象 | 申請者本人、世帯主または配偶者のいずれかが退職(失業等)された方など
※詳しい条件は公式サイトを参照してください |
デメリット | 免除された期間や割合に応じて、将来の年金受給額が減少する |
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国民年金については、収入の減少に応じて納付の猶予や免除を受けることができます。
ただしデメリットとして、将来受け取る年金の額が減少するという点が挙げられます。とはいえ「全額免除」になっても2分の1は保証されます。対して「未納」の場合は全く保証されないため、支払いが難しい場合は忘れずに手続きを行っておきましょう。
なお免除を受けた後、10年間は免除された分を追納することができます。年金を減らしたくないという方は、後で余裕ができた際に納付することも可能です。
「納付猶予」は、その期間を年金の受給資格期間に含めつつ、支払いを待ってもらう制度です。猶予期間中に支払わなかった場合は未納と同じ扱いになりますので、ご注意ください。
2.3【貸付】経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
種別 | 貸付 | 名称 | 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付) | URL | https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html | 実施団体 | 日本政策金融公庫 | 内容 | 4,800万円までの融資 | 対象 | 社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる方
※詳しい条件は公式サイトを参照してください |
デメリット | 返済が必要、かつ利息が発生する |
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経営環境変化対応資金は、売上が減少した場合のほか、売上が減少する見込みの場合も借り入れることができるという特徴があります。ただし返済が必要なのはもちろん、利息も発生します。
なお新型コロナウイルスが原因で売上が減少した場合など、他にも貸付の制度が複数あります。それぞれ条件が異なりますので、借り入れの予定がある方は、日本政策金融公庫の公式サイトをご確認ください。
▶ 日本政策金融公庫
上記3つの他にも、補助金や免除の制度があります。詳しくは次の記事もご確認ください。
※上の記事で紹介している制度のうち、コロナ対応関連は終了している制度があります。
詳しくは公式サイトをご確認ください。
3. フリーランスが仕事を得られない・途切れる理由
フリーランスが安定して仕事を続けていくために、案件が得られないときや途切れてしまうときの、よくある理由とその対策方法についてご紹介します。
3.1 仕事が途切れる理由とその対策
「これまでは安定して受注できていたのに仕事が無くなってしまった」というケースには、次のようなパターンが挙げられます。
● 特定の取引先に依存しすぎていた
「継続して依頼してくれるから」と、特定の取引先に依存しすぎていると、その取引先の方針が突然変わった際に仕事が途切れてしまうケースがあります。
現在安定した仕事があるという時期でも、常に複数のフリーランスエージェントで最新の案件情報をチェックしておくことで、突然の変化にも対応することができます。
● 営業活動をあまりしておらず、業界に人脈も少ない
コミュニケーションがあまり得意でないなど、業界に人脈が少ない場合は、案件を得るために自分から積極的に動かなければなりません。
自分を売り込むことが苦手という方は、サポートが手厚く、信頼できるエージェントを探すことがおすすめです。
● 持つスキルがトレンドでなくなり、案件が減少してしまった
ベテランクリエイターやエンジニアに起こりやすい問題として、持つスキルが古くなってしまい、そのスキルを求める案件が減ったというケースが挙げられます。
しかし仕事を続けながら新しいスキルを身につけ、案件の受注に至った方もいらっしゃいます。詳しくは次の記事をご確認ください。
3.2 初めてのフリーランス案件を受注できない理由とその対策
「初めてのフリーランス案件を受注できない」というケースには、次のようなパターンが考えられます。
● 希望する条件に対してスキルが不足している
● 希望する条件に対して実績(職務経歴)が不足している
● テレワークなど希望する条件を絞りすぎている
対象になるスキルを使う実務が未経験だったり、未経験に近い状態だったりする場合、独学で充分スキルが足りている状況であっても「不足している」と判断されてしまいがちです。そういったケースでは、スキルシートやポートフォリオを見直すことで、案件を受注できる可能性が高まります。
以下の記事はRubyだけでなく、全てのフリーランス案件に共通する部分もあります。詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
弊社「プロエンジニア」でも、実務未経験からフリーランスへ転身された方の支援を行った実績がございます。個人のスキルや希望を細やかに伺い、最適な案件をご紹介いたします。
もし本当にフリーランスとして独り立ちするにはスキルが足りないという状況なのであれば、まずはスキルを身につける必要があります。
未経験からプログラマーやクラウドエンジニアを目指している方は、ぜひ無料ITスクール「プログラマカレッジ」もご検討ください。
● 年齢が高すぎる
フリーランスとして独立するのは中高年層では遅すぎるという意見もありますが、例えばITエンジニアの場合はその限りではありません。
弊社「プロエンジニア」でも、40代以上の方の支援の実績がございます。これから独立を検討している方も、ぜひ一度ご相談ください。
4. フリーランス向け、仕事がない時間の効果的なすごし方
どうしても空白時間ができてしまった場合、ゆっくりと身体を休めるのも一つの方法です。しかし何か効果的なことを行っていたいという場合には、次のような過ごし方があります。
● スキルアップにはげむ
まず重要なのは、現在持っているスキルを磨くことです。特に知識については、最新版にアップデートしておきましょう。
● 業界のトレンド(需要のあるスキル)について情報収取する
例えばITエンジニアであれば、次のような方法があります。
• TIOBE INDEXなどで人気上昇中の言語を探す
• SNSでトレンドに上がっている言語をチェックする
• エージェントに業界の動向について聞く
なお最も確実、かつ手軽にトレンドをチェックする方法は、実際に様々な現場を見ているエージェントに聞くことです。
例えば人気のプログラミング言語については、次の記事でエージェントおすすめの言語を紹介しています。興味のある方は、ぜひ合わせてご確認ください。
● ポートフォリオを充実させる
目に見える形の成果物を用意できる職種であれば、ポートフォリオを見直すことで案件を受注できる可能性が高まります。
● 資格を取得する
職種によっては資格がなくても案件は受注できますが、例えば企業が資格手当を支給しているような人気資格は、合格することでメリットになります。それ以外の資格でも、自分の知識の棚卸しに役立ちます。
● SNSで作品を発表する
アート系の職種であれば言わずもがなですが、エンジニアであればオリジナルのサービスを公開&SNSなどで宣伝することで仕事に繋がるというケースがあります。
● 勉強会に参加する、SNSで交流するなど、人脈を広げる
人脈を広げることで信用が生まれ、案件を紹介されるケースもあります。
● 税金や資産運用など、お金に関する知識をつける
たとえ確定申告の準備が面倒でも、節税は重要です。入る方だけでなく、出て行く方にも目をしっかりと目を向けるようにしましょう。
フリーランスは失業保険などもないため、万一に備えておくことが大事です。
5. フリーランスが収入を安定化させる方法
フリーランスが収入を安定化させるためのポイントとして、次の3つが挙げられます。
このうち、1、2番目はエージェントを通すことで実現可能です。
3番目はクラウドソーシングサービスの併用がおすすめです。
6. 実際のフリーランスからのアドバイスと成功例
弊社「プロエンジニア」で支援したフリーランスの方に、インタビューしました。
■ 20年以上フリーランスを続けている方
■ 実務未経験からトレンドスキルのフリーランスへ転身(オンプレミス→クラウド)
■ 実務未経験からトレンドスキルのフリーランスへ転身(組み込み系→データサイエンス)
■ IT未経験から短期間でフリーランスITエンジニアへ転身(事務職→Javaエンジニア)
7. まとめ
フリーランスの場合、いつも仕事があるとは限りません。いざという時に困らないように、常に次の手を意識して動くことが大切です。
この機会に、ぜひいつもとは違った案件探しを始めてみてください。
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